工場見学めぐり

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京都の老舗、コタツ布団工場へ行ってきました!

オノ スタッフ:オノ

1200年の歴史と伝統が受け継がれてきた古都、京都。当店で扱うこたつ布団は、そんな京都の地で一つひとつ心を込めて作られています。
今回は工場での作業の様子と、職人さんの布団づくりに対する思いについてご紹介しましょう。

ものづくりの街・京都市

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西陣織や友禅染をはじめ、繊維産業が盛んな京都。一流の旅館や料亭、社寺、茶道や華道の家元が多いことから座布団や寝具の需要が高く、寝装具メーカーが軒を並べてきました。当店オリジナルのこたつ布団も、そんな京都で65年近く続く老舗のお布団工場で作ってもらっています。長年受け継がれてきた技を生かして、質の高い布団に仕上がっています。

まずは、生地を裁断

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こたつ布団づくりは、まず生地の裁断からスタートします。

大きな布を裁断する時は、吊るしてサイズを測ってからカットします。

商品のサイズによっては生地の縫い合わせが必要になることもあるので、デザインのつながりを意識しながら裁断していきます。

 


生地をこたつ布団のサイズに合わせておおまかにカットした後、定規を当てながら正確なサイズにラインを引いて裁断していきます。

 

家具の里のこたつ布団は正方形、長方形、円形の3タイプ。円形タイプの場合は専用の型紙に沿って切ります。

使い慣れたハサミですっと生地を裁っていく手さばきからは、経験に裏付けられた潔さが感じられます。

ミシンでていねいに縫製

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裁断が終わったら生地の角をきっちりと合わせて、まず裏面からミシンで縫っていきます。
生地がよれないように引っ張りながら丁寧に仕上げます。


大きな円形の布を回しながら縫う作業はひと苦労です。カーブに合わせて布がずれないように。ていねい、かつスピード感のある職人技です。

 

その後生地をひっくり返して、表面からもう一度縫製。ミシンを巧みに操作しながら、形づくっていきます。正方形や長方形タイプの場合は、角が出やすいようにきちんと折り曲げてからひっくり返すのがコツなのだそう。

中に入れるふとん綿も自社工場で丁寧に厳選!

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開繊機とよばれる機械で、綿をほぐしていきます。こまかく解きほぐされた、ふわふわの綿がでてきます。

ほぐされた綿をうすく引き伸ばし、2枚に重ねます。さらにその綿を重ね合わせて形を整え、ふっくらとした布団綿をつくります。

 

何層も重なり空気を含んだ、ふっくらわた布団のできあがり。思わず布団に飛び込みたくような、もっちりふわふわ感です。

隅々まで綿を入れてふっくらと

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いよいよ、中綿を入れる工程に!綿には熱伝導率が低く、熱を放出しにくい性質があるので、こたつ布団にぴったりの素材です。

 

わた入れの時に、均等に綿を入れないと仕上がりに偏りが生まれます。かと言って、量を調整するために何度も綿を入れ直していると、今度は綿が痛んでしまうことに……。一度に必要な分量を見極めるのがポイントだそう。これぞ、経験がものをいう職人技ですね。

 

一般的なサイズは機械を使って正確に行うのですが、大判や円形などは機械ではムラがでてしまうので手作業で行っています。「中綿がよれず、どこから入っても同じようにふかふかしている」「ふっくらと優しく包んでくれて、ほかほかと温まる」といったお客様の声がいただけるのもうなずけます。

 

綿を三層に重ね、端や角はしっかりと強くして、たっぷりと厚みを出します。布団の端から端まで綿がたっぷり入った、ふんわりとした仕上がりです。

キルト加工は1枚ずつ巨大なミシンで

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最後に、巨大なミシンを使って綿の入った分厚い布団を縫います。布団がずれないように、端をクリップでしっかりと固定していきます。

巨大ミシンで大きな布団を正確に縫っていきます。キルト加工をすることで、布団のふっくら感がより感じられる、ボリューム感のある仕上がりに。寒い季節に思わず包まりたくなる、ふかふかであったかこたつ布団の完成です。

職人さんにお話を聞きました

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一番難しい工程の綿入れを行うのは、この道50年になるベテランの職人さんです。
「綿は、触りすぎると綿そのものが荒れしてしまうから、一度で分量を決めるのが大事。とにかく経験を積んで手で覚えることが大切です。」
長年培ってきた感覚で綿の量を決めていく作業は、まさに神技でした。

また、この仕事を通してやりがいを感じるのはどのような時か尋ねると、

「お客様が商品を気に入って、繰り返し買ってくださったと聞くと、とても嬉しい。これからも、丁寧に、一つひとつ心を込めて作っていきたいです」と語ってくれました。

どんなに経験を積んで年数が経っても、“お客様に喜んでもらうために”という初心を忘れることのない姿に、職人魂を感じたひと時でした。